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報酬は高ければいいのか [経営]

P139
 つまり、何かをさせたいと考えて報酬を高くすると、かえってそのことが楽しさや課題へのモチベーションを奪ってしまうということが明らかになたのです。
 公園のゴミ拾いで高い報酬をもらえるからには、この仕事はきつい、嫌な仕事に違いない」と考え、楽しさが激減してしまったのです。
 逆に、ごくわずかな報酬を提示された人たちには認知的不況和が生じ、「わずかな金額でも自分が一生懸命になっているということは、この課題は楽しい課題に違いない」と自分で自分に言い聞かせるようになったと考えられます。

P140
 人にやる気を起こさせようとするとき、多顎の報酬を与えることはほとんど意味がないいうことがこれでわかります。
短期的には馬力を出すためのお励みになるかもしれませんが、長期的に見ればかえって仕事に対する意欲を失わせる原因になってしまう可能性があります。
 人をやる気にさせるのに効果的なのは、その仕事自体が「やりがい」があり、素晴らしいものだとくり返し伝え続けることと、「「思いがけない」「小さな」プレゼント」です。
予測される報酬ではなく気まぐれに与えられること、しかも少額であることが重要です。多顎のものでは、せっかく醸成されたその人のやる気が失われてしまいかねません。
~中略~
 しかし、「報酬を目当てにみんな仕事をしているし、昇給すればうれしいし、言葉よりも具体的な金額として自分の努力が認められるのは幸せなことじゃないか」と、多くの人は反論したくなるだろうと思います。たしかに、ある種の問題では、外的動機づけと呼ばれる分かりやすい報酬が生産性を上げるのに功を奏することがわかっています。

P143
 創造性を上げたいときには報酬を与えてはいけない、むしろ、やりがいを与えたほうが創造性が高くなる、ということがわかりました。類似の現象は多くの分野で実際に見られるのではないでしょうか。

空気を読む脳
中野 信子 (著)
講談社 (2020/2/20)

 

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天河大弁財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ、天河神社)


タグ:中野 信子
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