SSブログ

退き時 [処世]

 

得意の時候は、最も当に退歩の工夫を著( つ )くべし。


一時一事も亦皆亢龍有り。

               「 言志録 」第四四条


                佐藤 一斎 著

                岬龍 一郎 編訳

                現代語抄訳 言志四録

                PHP研究所( 2005/5/26 )

                       P34

 

 

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
 
 
 
 
 
1898234椿堂4

「功なり名を遂げて身退くは天の道なり」
                  老子

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中は 花は花なれ 人は人なれ」
           細川 ガラシヤ

 

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

 

 [第百三十四段]前略~
己のつたなさに気がついたら、なぜすぐに身をひかないのだ。おいぼれたとわかったら、なんで、静かに暮して、身体を楽にしないのか。
仏道修行がおろそかだと気付いたら、どうして深い注意をこの点に集中しないのだ。
総じて、人に歓迎されないで、人中へ出るのは、恥である。容貌が見にくく、心が愚かでありながら、世に出て仕え、無智なくせに、すぐれた学才の仲間入りをし、下手な芸で、名人上手と同席し、真白な頭をして、壮年の人と一緒になり、その上、及ばぬことを望み、できないのを嘆き、来もしないことを期待し、人に気がねをし、へつらうのは、すべて他人が与える恥ではない。
欲ばる気持ちに引っぱられて、自分から自分を恥ずかしめるのだ。
~後略

徒然草―現代語訳
吉田 兼好 (著), 川瀬 一馬
講談社 (1971/12)
P252

徒然草 (講談社文庫)

徒然草 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Kindle版

 

持して之を盈(み)たすは、其の已(や)めんには如かず。
揣(し)して之を鋭くするは、長く保つ可からず。
金玉、堂に満つれば、之を能く守る莫(な)く、富貴にして驕(おご)れば、自ら其の咎(とが)を遺す。
功遂げて身退くは、天の道なり。
~中略~
*この一章は要するに、満月が欠けるように、完成と豊満は衰退につながるものだから、長く保持することはできないというのである。
身を守るためには、適当な時機をみて身をひくのが最善の処世法だというのであって、主旨は明白である。

老子
小川 環樹 (翻訳)
中央公論社; 改版 (1997/03)
P25

 

老子 (中公文庫)

老子 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1997/03/01
  • メディア: 文庫

 

 

 

 高松宮は(住人注;昭和19年)2月16日、細川(住人注;細川護貞 )に「玉砕と云ふ如きは、云ふ可くして実行不可能なり。足腰立たざるまで戦ふ如きは愚の骨頂にて、若し万一絶対国防圏を突破せらるゝことあらば、速やかに休戦する、即ち成るべくよい負け方を考へねばならぬ」と語った。

語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」
竹田 恒泰 (著)
小学館 (2005/12)
P110

 

語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (小学館文庫)

語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (小学館文庫)

  • 作者: 竹田恒泰
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: Kindle版

 

 

 用をなさなくなったのにその事実にひとり気づかず、その情熱は称賛に値するとはいえ、時代が変化したため彼の能力では無理となった職務の遂行に固執する老教授の姿ほど痛々しいものはない。
もはや
もう逝くことにしよう・・・
油が切れてもえなくなったら、
新しいもの以外のすべてを蔑む若いやつらに
黒ずんでくすぶる蝋燭の芯扱いされるくらいなら。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P49

 

平静の心―オスラー博士講演集

平静の心―オスラー博士講演集

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 単行本

 

 

 

P95

 プロジェクトからの撤退は、いつでも難しいものですが、膨大な時間とエネルギーをつぎ込む前の初期の段階であれば、はるかにやりやすいものです。後になればなるほど、時間やエネルギーをつぎ込んでしまい、引くに引けなくなります。仕事でも、株式投資でも、人間関係でもおなじことが言えます。
あのレオナルド・ダ・ビンチも、「最初に抵抗する方が、あとになってから抵抗するよりも楽」だと言っています。組織行動の専門家ロバート・サットンは著書の「あなたの職場のイヤな奴」(講談社)のなかで、「ダビンチ・ルール」を詳しく論じています。サットンは、自分に合わない仕事は、どうしようもないと思ったらすぐにやめるべきだと言います。一般論としてまとめたものを紹介しましょう。
 何かを決める際には、過去にどれだけコストをかけたかを考えに入れるべきではない。―たいていの」人は、この原則を知っている。だが「投資しすぎて、引くに引けない症候群」はかなり強力だ。何年にもわたって努力や苦労を重ねてくると、つい正当化したくなり、自分自身の周りにも「これにはなにか価値や意味があるはずだ」とか「だからここまで賭けたのだ」と言ってしまう。
 何かをやめると、じつは驚くほど元気が出ます。決めるのは自分であり、その気になればいつだってやめられることに気づきます。自分で自分を檻に入れ、見返りをする必要などないし、うまくいかない場所に引きこもる必要もありません。

P100
 では、どうすればやめるべき時がわかるのでしょうか。これは哲学的な大問題です。成功させたいという願望と、実際に成功する確率とを分けて考えるのは、とてつもなく難しいものです。もちろん、資源を投入すれば、成功する可能性は高まります。でも、時間やお金をどれほどかけても、あるいは、どれほど汗をかいても、うまくいかないときはうまくいかないものです。わたしがたどり着いた、もっとも科学的な結論はこうです。「心の声に耳を傾け、選択肢を検討しなさい」。
まずは、自分自身と正直に話し合わなければなりません。成功するまでトコトンやる覚悟があるのか、それとも別の道を選んだ方がいいのか、自分に聞いてみることです。
 要するに、何しろやめるのは難しいのですが、うまくやめるのはもっと難しいものです。引き際が見事な人がいれば、後にぽっかり穴を残していく不器用な人もいます。 第8章で詳しくお話ししますが、人生では、おなじ人に何度も出会うことがよくあります。それも予想しない形で。この事ひとつとっても、やめるときは、周りの人への影響をよくよく考えておくべきです。引き際をきれいにするのは、後々、その影響が自分に巡ってくるというだけでなく、人としてやるべきことなのです。

P102
 これとは対照的に、きれいにやめていった人たちも見てきました。仕事が合わなくてやめるのであっても、礼を尽くせば周りは好印象を持ち、必要ならいつでも推薦しようという気になります。
十分に前もって辞意を伝え、仕事がやりやすいように引き継ぎに時間をかけ、ときには引き継ぎがうまくいくよう手伝おうと申し出ます。こうした人たちはヒーローです。きれいにやめる術を知っていて、その術を使って、悪い状況を好転させます。

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
ティナ・シーリグ (著), Tina Seelig (原著), 高遠 裕子 (翻訳)
CCCメディアハウス (2010/3/10)

 

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: ハードカバー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント