木にまなべ [哲学]
何百年もの間の種が競争するんでっせ。
それで勝ち抜くんですから、生き残ったやつは強い木ですわ。
でも、競争はそれだけやないですよ。大きくなると少し離れてたとなりのやつが競争相手になりますし、風や雪や雨やえらいこってすわ。
ここは雪が降るからいややいうて、木はにげませんからな。じっとがまんして、がまん強いやつが勝ち残るんです。
西岡 常一 (著)
木に学べ―法隆寺・薬師寺の美
小学館 (2003/11)
P23
法隆寺金堂の大修理、法輪寺三重塔、薬師寺金堂や西塔などの復元を果たした最後の宮大工棟梁・西岡常一氏が語り下ろしたベストセラー、待望の文庫版。宮大工の祖父に師事し、木の心を知り、木と共に生き、宮大工としての技術と心構え、堂塔にまつわるエピソード、そして再建に懸ける凄まじいまでの執念を飄々とした口調で語り尽くしている。氏が発するひとつひとつの言葉からは、現代人が忘れかけている伝統的な日本文化の深奥が、見事なまでに伝わってくる。
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