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共生 [日本(人)]

 

P203
  日本人はすべてのものと共生するという見事な、共に生きるという考えを持っていたのです。
これは世界でもまれなことです。

今、地球の環境破壊、大気汚染を何とかしようと躍起になっていますが、それは外国のものの考え方では決して解決しません。人間の知恵で、人間の頭で考えて自然を回復させてやろうとしても、それでは永久に解決しません。

共生という考え方が根底になければ本当の自然は回復しないのです。自然と共に生きよう。人間の力で自然を回復するんじゃなくて、自然を生かしながら、同時に人間を生かす共生という考えなくして、一歩も進むことはできません。

P205
この共生という考えは日本の気候風土に育まれた、日本人独特のすごい生き方だと思っています。
西欧の発想だと、こうは考えない。自然は人間の力で造り変えるものであると。
~中略~
日本では、畑や田んぼを作っても、必ず森には神さまを祀って山の自然を残す。そして自然と共に生きていくという、そういう素晴らしい発想をもって行ってきたわけですね。

葉室 頼昭 (著)
「神道」のこころ
春秋社 (1997/10/15)

〈神道〉のこころ(旧版)

〈神道〉のこころ(旧版)

  • 作者: 葉室 頼昭
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 1997/10/15
  • メディア: 単行本


-f1dc9.jpg奈良公園

共生というのは、前にも言いましたが、たとえば、山奥の未開の民族が森の中に住んでいる。それが自然との共生かというと、そうではない。
あれは自然の中で生きている、普通の動物と同じ生活なんですね。

共生というのはそういうことではなくて、それぞれの生物はそのままで生きていて、文明・文化を持った人間がそれに近づいて一緒に生きようというのが共生なんです。

 一方、いまの外国人が考えている共生というには、家畜と混同しているんですね。イヌを家畜として馴らして、イヌと人間が一緒に生活しようというのは、共生ではないんです。
これは家畜です。人間の欲望のために、イヌを馴らしているというだけの話です。
本当の共生というのは、イヌを自然に放して、イヌの自然な生活をさせておいて、人間がイヌに近づく。そしてイヌ一緒に生活しようというのが共生です。

それをやっているのが奈良のシカなのですが、シカは決して人間に馴れているわけでもなく、もちろん人間が飼っているわけでもない。・・・・

葉室 頼昭 (著)
神道 見えないものの力
春秋社 (1999/11)
P167

 

神道 見えないものの力(旧版)

神道 見えないものの力(旧版)

  • 作者: 葉室 頼昭
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 1999/11/25
  • メディア: 単行本




 


タグ:葉室 頼昭
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