業者に踊らされるな [社会]
その一方で消費者の「合成添加物忌避感情」のために、製造業者が安全性の高い指定添加物を安全性が定かではない天然添加物に切り替える動きが加速しています。
~中略~
消費者にとっても事業者にとってもデメリットが大きいのですが、「消費者がそれを要求している」という理由で使われ続けています。
しかし本当に消費者が要求しているのでしょうか?消費者は事実をよく理解しないまま、なんとなく「天然だから安心」という、自社製品の宣伝のために他社製品に根拠のない誹謗を行っている一部の業者に踊らされているだけではないかと思います。
畝山 智香子 (著)
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 (2009/11/30)
P29
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)
- 作者: 畝山 智香子
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2009/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
P40
日本ではGM作物だけが安全性評価の対象となっていますが、作物の新しい品種はGMとは方法は異なるものの、何らかの遺伝子変異を起こしているものです。それら新品種は交配だったり種子を放射線や変異原性のある化学物質で処理してつくられ、GM作物と違ってどこの遺伝子がどう変ったかはわからないことの方が多いです。
ですから理論的には、どこのなにの遺伝子を組み入れたかがわかっているGM作物よりリスクは大きいと言えます。
P62
FDAは、「一般の人びとは、ある物質が自然由来だと聞くとその物質が安全であるという間違った思い込みをもっているが、実際にはそうではない。そのような思い込みが安全でないサプリメントを使い続けて健康被害を被るといったような公衆衛生上のリスクを招いている」と述べています。
P64
カビ毒は自然の状態でたくさん発生しうるチャンスがあり、原料となる小麦が栽培されている時にできたものから、パンになってから生えたカビがつくるものまで多種多様です。ある程度の汚染は避けられないのも事実です。したがって小麦の船での輸送などの際には、薬剤を使用してカビの発生を抑制するということは安全性確保のために必要とみなされているのです。
カビ毒などの天然物の害についてはまったく無視して薬剤の毒性のみを問題視するような主張は、データの恣意的利用でしかなく、科学の誤用と呼ばれるものです。
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)
- 作者: 畝山 智香子
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2009/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
しかし、最初にお断りしておきたいのは、小さな子どもの脳に関する「科学的データ」など絶対に鵜呑みにすべきでない、という鉄則です。
人間の脳(とりわけ子どもや赤ちゃんの脳)は、ようやく研究が本格化したばかりの段階で、まだなにもわかっていないに等しいのが実情です。
そして、脳トレ関係の広告に引用されたデータは、都合のよい部分のみを切り取っていたり、強引な拡大解釈を施したものがほとんどで、とても科学的とは言えません。
開 一夫
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)
P107
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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