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女功をおしゆべし [教育]

 凡(そ)女子を愛し過して、ほしいままにそだてぬれば、おつとの家にゆきて、必(ず)おご(驕)りおこりて、他人の気にあはず、つゐには、しうとにうとまれ、夫にすさめられ、夫婦不和になり、おひ出され、はぢをさらすものほし。
~中略~
女子には、はやく女功をおしゆべし。女功とは、をりぬひ、うみぬひ、すすぎあらひ、又は食をととのふるわざを云。
女人は外事なし。かやうの女功をつとむるを以(て)、しわざとす。

和俗童子訓 巻之五 
総論 下

養生訓・和俗童子訓
貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
岩波書店 (1961/1/5)
P271

養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫)

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  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2022/09/26
  • メディア: 文庫
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TS3E0490 (Small).JPG宮島

子ども時代の麟太郎(住人注;勝海舟)は、正月の餅をつく金もないほど貧乏な家庭で、しかも生涯を無役で過ごすような無頼な父親の下で生まれ、育っている。
今日で言えば、荒れすさんだ非行少年が出そうな環境に見えるが、賢い母親のはからいで、家庭の和が保たれ、麟太郎は、十分に可愛がられたという意識をもって成長してゆく。母親のお信は甲斐性のない夫との生活に、めったに不満を表わさない。 むしろ、夫の(現実はともかく、すくなくとも、名目上の)地位と権威を認め、一家の主としての父親像を保とうと努める。 また、そうした献身的な役割の中に生き甲斐を見いだし、麟太郎が立派に事を成し遂げるのを見守ることによって、自分自身が満足するという生き方(母性的なP)に徹した女性である。
今日、こういう伝統的な日本女性像がよいといったら非難されそうであるが、実際には、母親が父親をあからさまに軽蔑し、子どもにもそれを伝えるようなことがくり返されるとき、破壊的な脚本が形成されるのである。

 

セルフコントロール―交流分析の実際
池見 酉次郎 (著), 杉田 峰康 (著)
創元社; 新版 (1998/11)
P116

セルフコントロール:交流分析の実際

セルフコントロール:交流分析の実際

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1998/11/01
  • メディア: 単行本

 


タグ:貝原 益軒
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