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抗がんサプリメントは宗教である [医療]

抗がんサプリメントは医薬品ではなくあくまでも「食品」であるため、効果・効能を謳って販売することが薬事法によって禁じられている。
~中略~
本の裏表紙には「この本は特定の商品を推奨するものではありません」と印字されていた。
 そんなことを言われても、これが商品カタログに同封されていれば、患者はフコダインが効くのだと思いたくなるだろう。
藤倉善郎(ジャーナリスト)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P101

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: 大型本

 

DSC_0914 (Small).JPG両子寺

P102
「それがねえ、わからないんですよ!」
 D医師は、実に清々しく言い切った。
「なぜ効くのかはわからないんですが、これでがんがきれいサッパリ消えたという人が実際にいるんだから。いまも、ちょうどそういう患者さんに会って来たところなんですよ!」
 なんだかわからんが効くんだから効くんだ! と・・・・・。そう開き直られるとお、根拠もへったくれもなく、これを「信じる」かどうかの問題になってしまう。まるで宗教だ。
 早稲田大学先端科学・健康医療融合研究客員准教授の大野智氏に、巷に出回っている抗がんサプリにどれほどの効果があるのか、尋ねてみた。
「がんに効くと言われているサプリメントで、ヒト臨床試験において効果が証明されたものはありません。
逆に効果がないと証明されたものもほとんどないので、特定の製品や成分について、”まったく効果がない”と断定することはできません。言ってみれば、当たりが何本あるのかわからない宝くじを買うようなものです」
 しかもこの宝くじ、そもそも本当に当りあるのかどうかすらわからないのだ。
 たとえば前述のビタミンCの場合、がんを予防する効果については賛否があり、治療効果についても現時点では証明されていないと、大野氏も執筆者として加わっている「がんの補完代替医療ガイドブック第3版」で示されている。
取材・文 藤倉善郎(ジャーナリスト)

 

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: 大型本

 

 

 

そこの病院で同じ化学療法をやっている患者さんのうち、ある特定の病室の人だけが副作用が強く出て、四人中三人が亡くなってしまった。遺族を問い詰めて、ようやく分かったのは、その地域で出回っている民間薬を、その病室の人たちだけが飲んでいたということであった。
そしてその薬草は、ある抗癌剤の原料となるものであり、患者さんたちが飲んでいたというその根は、有効成分は乏しいが副作用(白血球の減少など)はしっかりあるものだった。
 よく患者さんから言われるのは、人口のものは悪いかも知れないが、天然のものは大丈夫だろう、と。
多くの薬は天然のものから抽出され、その後合成されたものである。まあそんなこと説明するより、そういう患者さんには「養殖フグでも天然のフグでも、肝食ったら死ぬでしょうが」で大体分ってもらえる。
 では私はどうしているか。聞かれたら、お勧めするものはない、と答える。

偽善の医療
里見 清一(著)
新潮社 (2009/03)
P198

偽善の医療 (新潮新書 306)

偽善の医療 (新潮新書 306)

  • 作者: 里見 清一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 新書

 


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