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パーソナリティ障害とどう向き合う [医学]

 さまざまな形でパーソナリティ障害に接し、我々はしばしば心を傷つけられる。
わたしだって強烈なBPD(住人注;境界性パーソナリティ障害(「ボーダーライン・パーソナリティ・ディスオーダー」))が診療室で騒いだりすると、3日は気分が悪い。
  かれらが名うての嫌われ者として登場したならば、まだこちらとしても覚悟がつく。だがかれらは「普通のマトモな人」のようにして登場することが多い。
それなのに豹変するから困惑させられるし、自分のほうがなにか思い違いや見落としをしていたのではないかと不安になる。おまけに相手が結婚していたりちゃんとした仕事に就いていたりすると、それは相手を好きになったり評価する人間がいたということになる。もしかするとオカシイのは自分のほうではないか、と気持ちが」ぐらつく。
~中略~
 けっきょくのところ、かれらを前にした我々は、我々自身のなかにある自信のなさや曖昧さや不安をあぶり出されてしまうのである。
だから相手が悪いと思うと同時に、自分に関して何かやましさや心苦しさが析出してくる。~中略~
 いまいましいけれど、立腹すると同時に謙虚な気持ちも発動しなければ、かれらとの出会いは不毛なものでしかなくなる。

はじめての精神科―援助者必携
春日 武彦 (著)
医学書院; 第2版 (2011/12)
P124

DSC_2631 (Small).JPG一畑寺(一畑薬師)

P125
 BPDとの関係性においてベストなのは、わたし自身が「世間一般の考え方や意見」の代表となることだと思っている。かれらは世の中の人々が普通に感じあり考えたりする内容がわかっていない。微妙にずれる。
いや、そのわからないことを自己愛的に解釈して自分を特別視し、アイデンティティとしているフシがる。だから普段はユニークで孤高なオレ様で結構なのだけれど、いったん不安になると、「世の中の普通」がいまひとつわからないがために、なおさら不安になったり疑心暗鬼となる。~中略~
つまり世間一般の人々はそんなふうに感じたり考えて過ごしているのであり、君のようにこだわるのは不自然だよ。だからストレスをため込むんだよ、と言ってあげられる存在となることが、予想以上に重要なのではないかと考えている。 


タグ:春日 武彦
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