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中国人もいろいろ [国際社会]


・・・・・十二月二十二日は「冬至」である。いずれいわく因縁のある日にちがいないが、私は子供のころからその日を「ダンゴを食べる日」としか認識していない。毎年冬至のダンゴを食べてから、やっと歳末という気がしはじめる・・・・・・
 中国人家庭の歳末風物詩を紹介したつもりであった。中国人全般の風習であるとは書いていないが、たいていの読者はそううけとったであろう。また私もそのつもりで書いたのだった。
 ちょうど冬至の日に、この文章は掲載された。その日の朝、広東省出身の友人が電話をかけてきて、「われわれにはそんな習慣はない」と言う。
 数日後、町で出会った北京出身の人も、わざわざ私を呼びとめて、北京では冬至にダンゴではなくワンタンを食べるのだ、と教えてくれた。
 いささかあわてて、ほかの地方出身の同国人に訊いてみたが、冬至にダンゴを食べるのは、どうやら台湾と福建の両省に限られた習慣らしいとわかった。

日本人と中国人――〝同文同種〟と思いこむ危険
陳 舜臣 (著)
祥伝社 (2016/11/2)
P3



DSC_2629 (Small).JPG一畑寺(一畑薬師)

P13
 あなたは、かつて接触した中国人がほとんど例外なしに商売の天才だった、とおっしゃいましたが、真相は、商売の天才しかあなたの前にあらわれなかったのです。
あなたの接した五十人の中国人のうしろに、商才に欠けた九千九百五十人の中國人がいるのを、どうか忘れないでください。その人たちは、あなた方に接触するチャンスにさえ恵まれませんでした。
 手元に正確な統計はありませんが、あなたが中国の開港場で活躍しておられたころ、全中国の人口のおそらく八十パーセントぐらいは農民だったと思います。
~中略~
 自分の接した相手だけによって、その国民を判断してはいけません。


タグ:陳 舜臣
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