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イチャモンつけて楽しむ人 [社会]


 ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが、息子さんの「ニンテンドー3DS」を真っ二つ折って壊した。平日のゲームは禁止という決りを九歳の息子さんが破ったからだという。
 その顛末(てんまつ)を高嶋さんが新聞のコラムに書いたところ、忽(たちま)ちネット上で大炎上した。
それを「ゲーム機バキバキ事件」というそうだ。ネット上の大炎上とは「子供への虐待」「やり過ぎ」とか「子供の気持ちをわかろうとしない親はバカ」とか、「任天堂に謝れ」なんてものまであったらしい。なぜ任天堂に謝らなければならないのだろう。私にはよくわからないが、要するに当節は興奮すると味噌もクソもいっしょくたにして文句を楽しむ人がイチャモンをつけて溜飲を下げる趣味というか、生甲斐というか、いや、流行性の病のようなものというべきか。
イチャモンつけの元祖である私でさえただ呆気にとられるばかりである。


九十歳。何がめでたい
佐藤 愛子 (著)
小学館 (2016/8/1)
P180




九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

  • 作者: 佐藤愛子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本












DSC_2657 (Small).JPG荒神谷遺跡

P139
日本の書評になれている人は、本場アメリカのアマゾンの書評がほとんど実名だと言われたら驚くのではないか? ~中略~ レストランのレビューもアメリカでは実名だ。日本でレストランレビューとして有名な食べログでも、実名のレビューはあまりみたことがない。
 日本でも、本やレストランのレビューを実名で書いているブロガーもいるし、サイトもあるが、最王手のレビューサイトはほとんどが匿名だ。
 そもそもアメリカでは実名による評価でない限り誰も重きを置かない。匿名による評価など本人や本人のライバルが書いていると思われても仕方がない。実名で書評を出すことにより、書くほうに責任感とそれからくる緊張感が生じる。レストランでも本でも自らをさらして評価するので、お里が知れたことになるからだ。
 ~中略~ もちろん、匿名でもアメリカの実名に負けないくらいフェアで深い分析に基づく評価が書いてあるものもある。むしろ、これくらいのことを書くなら最初から実名にすればさらに信頼が増すのに、と思うこともある。ただ、そういうものより、感情的で浅いレビューのほうがはるかに多いと思うが。
 日本はそれなりに大きくて広い国なのだが、人と人との関係が密で濃く、フェアなレビューも人格攻撃と受け止めてしまうくらい議論に慣れていない。そのため他人による批評を受け止める度量が狭いので、実名で実のある厳しいことが書けない風土なのだろう。


P140
 日本人は人格攻撃にならずに議論をするのが下手だ。これは教育の段階から慣れていないからである。その象徴が政治家の議論だ。国会でもそうだが、私がよく出させていただいた政治討論番組でも議論が人格攻撃にすり替わってしまうことがよくあった。そして先輩や同僚と建設的な議論をしようとしても、「お前、あれだけ目をかけてやったのにそういう態度か?」「お前、俺に意見するならもう知らんぞ」となってしまう。
 成熟した議論を尽くすためには、社会全体に慣れがないと難しい。アメリカのビジネススクールやロースクールでの議論では、人と違う意見を言わないと存在意義がないとされる。つまり学生時代から相手が誰であろうが。反対意見を含めて人格攻撃に陥らずに好き勝手に議論することを学ぶのだ。
~中略~
 ただ、言われるほど、海外ではイエス・ノーをはっきり言うわけではないし、欧米人が公然とした批判に対して寛大に受け止める心を一概に持っているわけでもない。最低限のルールと礼儀は必要だと思う。


頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法
田村耕太郎 (著)
朝日新聞出版 (2014/7/8)



頭に来てもアホとは戦うな!

頭に来てもアホとは戦うな!

  • 作者: 田村耕太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: Kindle版




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