食べられないから小食 [養生]
食事を野菜中心にしている高齢者は多いです。若い人は脂っこいものばかり食べるので、高齢者のほうがかなり健康的に見えます。
また、高齢者の食事は少量になりがちです。ドカ食いする若者が多いことを考えますと、これも健康的な感じがします。
中には健康への意識が非常に高くて、野菜ばかり食べる高齢者もいます。しかし多くの高齢者は、後向きの理由でこのような食事をしてしまっているのです。
ではなぜ、高齢者は先のような食生活をしてしまっているのでしょうか。理由は大きく三つあります。
一つ目の理由は、肉や繊維質のものを好まなくなること。野菜を積極的に選ぶといいうよりも、肉や繊維質を避けているのです。 ~中略~
二つ目の理由は、食べてすぐに満腹を感じてしまうこと。 高齢者は、満腹中枢がうまく機能しません。3)コレシストキニンという満腹ホルモンが空腹時も多いので、満腹なのかそうでないのかもよくわからなくなります。4)そのため志村けんさんのお笑いネタのように、さっき食べたばかりなのに「お昼はまだかいね?」と言ってしまうこともあります。
三つ目の理由は、小分けにして食べる癖がつくため、食事の量が減ること。
小分けにしても総量は変わらないから問題ないにでは、と思いませんか? しかし、小さく盛られていると、結果的に摂取する量が減ることが、研究により明らかになっているのです。
人間は無意識に、小分けにされているものでもそれを見ると、十分に量があると判断してしうまうからです。つまり「満腹だ」というのは、胃や血液だけでなく、目からの情報でも決まってしまうのです。
老人の取扱説明書
平松 類 (著)
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