命まで取られるわけじゃない [ものの見方、考え方]
私は自分がストレスを感じているなと思うときは、単純な言葉をおまじないのように自分に言い聞かせて、居直ってきました。
「命まで取られるわけじゃないよ」
これを口癖のように言ってみるのです。
そうすると、不思議なことに、がんじがらめにこわばっていた気持ちが和らいできます。筋肉の緊張がほぐれ、肩、首のこりが少し軽くなります。
ストレスを避けよう、避けようと逃げまわるのではなく、何があっても、何が起こっても、
「命まで取られるわけじゃないよ」
と開き直って、スルリと躱(かわ)す生き方も必要なのではないでしょうか。
~中略~
天星丸(住人注; 戦後の女性代議士第一号のひとり園田(松谷)天光光さんの妹さんで医師の松谷天星丸)さんは、自分の体調が悪いときや、怪我をしたとき、またストレスを感じたときは、
「さだめじゃ」
と自分に言い聞かせて乗り切ったといいます。
この「さだめじゃ」という言葉をつぶやくと、それまでざわついていた気持ちが収まり、平常心に戻ったといいます。
百歳人生を生きるヒント
五木 寛之 (著)
日本経済新聞出版社 (2017/12/21)
P145
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