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多死社会 [社会]

 人間は誰しも、遅かれ早かれ、いつかは最後の時を迎える。日本は高齢社会にあるが、次にやってくるのが「多死社会」ということになる。
2016年の年間死亡者数は130万7765人で戦後最多を更新した(厚生労働省の「人口動態統計月報年計」)。
 社人研の推計では、2030年に160万人を突破し、2039、2049両年の167万9000人でピークを迎える。その後ももしばらくは160万人レベルで推移する。
 その一方で、「多死社会」への備えはいまだに十分とは言えない。死亡者数の増大で懸念されることといえば、斎場や火葬場の不足だが、とりわけ逼迫(ひっぱく)しそうな地域が、高齢化が急速に進むとみられる東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)である。  

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
河合 雅司 (著)
講談社 (2017/6/14)
P104

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

  • 作者: 河合雅司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Kindle版

DSC_4397 (Small).JPG宇佐神宮

P107
 大死亡時代には、もう1つ大きな社会問題が横たわる。こちらも、その予兆が見え始めているが、無縁遺骨の増大である。
 近年、ひとりっ子同士の結婚が増え、極端に親族が少ない結婚式に招待された人も多いと思うが、それは葬儀においても同じである。
家族葬などが増えたことでも分かるように、近親者が少ない人が多く、会葬者は減る傾向にあるのだ。
 それどころか、子供がおらず、頼れる親戚もいないというひとり暮らしの高齢者は少なくない。こうした高齢者には火葬費用の負担を捻出できない人も含まれる。親族があっても関係が希薄だったり、残された身内は超高齢者だけという例もあったりと、「人が亡くなれば、親族が引き取り、弔う」というかつての”常識”が崩壊し始めているのだ。

P108
 かつての多くの地方コミュニティは、主に長男が親元に残って自宅やお墓を受け継ぐことで成り立ってきた。ところが、後を継ぐ子供がいなくなったり、子供が1人か2人となったりした今、コミュニティ自体が維持できなくなっている。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

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  • 作者: 河合雅司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Kindle版


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