現状維持バイアス [言葉]
現状を変更する方がより望ましい場合でも、現状の維持を好む傾向のことを言う。
現状維持バイアスが発生するのは、現状を参照点とみなして、そこから変更することを損失と感じる損失回避が発生していると考えることもできる。
また、現在の状態を所有していると感じて、保有効果というものが発生していると考えることもできる。
保有効果とは、すでに所有しているものの価値を高く見積もり、ものを所有する前と所有した後で、そのものに対する価値を変えてしまう特性のことを指す(6)。例えば、企業が無料で試供品を配布するのは、この保有効果を狙った販売戦略である。同じ治療法を続けたいという患者の意識も現状維持バイアスの一つである。
医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者
大竹 文雄 (著), 平井 啓 (著)
東洋経済新報社 (2018/7/27)
P24
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