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左脳マインド [雑学]

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 左の脳は、情報をまとめる面では宇宙の中で最も優れた道具(ツール)です。
左脳のキャラクターは、あらゆるものを分類し、組織化し、記述し、判断し、批判的に分析する能力を誇っています。
左脳はいつも熟慮と計算によってうまく立ち回ります。口が動いていてもいなくても、左脳マインドは理論化し、合理化し、記録化するために忙(せわ)しなく働いています。
 左脳マインドは完全主義者で、まるで会社や家の管理人のよう。それはこう言い続けています、「全てのものには決まった場所があり、全てのものはその場所に属す」と。
右脳マインドのキャラクターは人間性を重視しますが、左脳マインドのキャラクターは財務や経済を重視します。
 何かをするとき、左脳マインドは複数の仕事を見事にこなし、同時にできるだけ多くの機能を演じるのを好みます。
左脳マインドは、そりゃもう働き者で、やらなくちゃいけない日課の項目をどれだけ線を引いて消せたかで、その価値を測ります。
左脳マインドは物事を順序だてて考えるので、機械的な操作に優れています。

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どちらの脳が支配的であるかは、どちらの半球がしゃべる言葉をつくり出して理解する能力を持つか、によって決まります。
そして統計上では、多少のばらつきはあるものの、(アメリカの人口の八五パーセント以上を占める)手が右利きの人のほとんどは、大脳の左半球の方が機能的に優れています。
でも、同時に、左利きの人の六〇パーセント以上も、右利きの人と同じように、大脳の左半球の機能が優れている方に分類されるのです。

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 正しい方法も規則も規制も持たない右脳マインドは、なにものにも束縛されず、あるがままに考える自由を持っています。そして新たな一瞬の数々が与えてくれる可能性を、どこまでも自由に求めていくのです。
右脳マインドはあらかじめ、自発的に気ままに、そして想像的につくられていて、だからこそわたしたちの芸術的な活力が、抑制や思慮分別なんてものに縛りつけられることなく、自由に迸(ほとばし)るのを可能にしてくれるのです。
~中略~
共感したり、他人の身になって考えてみたり、感情移入したりする能力は、右の前頭皮質のおかげなのです。
 それに対し、大脳の左半球は情報を処理する方法が全く異なっています。 左脳は、右脳によってつくられた内容豊富で複雑な瞬間のそれぞれを取り上げて、時間的に連続したものにつなぎ合わせます。
それから左脳は、この瞬間につくられた詳細と、一瞬前につくられた詳細を次々と比較し、きれいな直線上に並び替える作業をおこないます。こうやって、左脳が「時」の概念を明らかにしてくれ、瞬間は過去、
現在、未来に分けられていくのです。
~中略~
 大脳の右半球が、ひとつのイメージを思い描いて現在の瞬間の全体像を認知するんとは全く逆に、左脳マインドは、まさに微に入り細に入りうがつように、細かく細かく、細部にこだわり続けます。だから、大脳の左半球の言語の中枢はあらゆることを説明し、定義し、分類し、伝えるために、言葉を利用するのです。
~中略~
 左脳にある言語中枢の役目のひとつは、「わたしは」と言うことにより、「自己(セルフ)」の意味を明確にすること。
脳はおしゃべりをすることで、人生の細部を何度も反芻(はんすう)します。だからあなたは、自分の人生で起きたことを憶えていられるのです。

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 言語で考えることに加え、大脳の左半球は入ってくる刺激に対してパターン化された反応を見せます。 それは感覚的な情報に対して、ほぼ自動的に働く神経学的な回路をつくっています。このよな回路によって、多くの時間を個々の情報の断片に焦点を当てるのに費やすことなく、大量の情報を処理できるのです。~中略~ この種の反射的な回路設計が、わたしが左脳の「思考パターンのループ」と名づけたものをつくり出します。
これによって、最低限の注意力と計算力で、大量の流入情報をあっという間に解釈することができるのです。
 左脳は、こうした生得のパターン認知のプログラムで一杯で、このプログラムは過去の体験にもとづき、わたしたちが何を考えるか、どう行動するか、あるいは、将来どんなことを感じるか、ということを、見事に予測してくれるのです。

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)
新潮社 (2012/3/28)

 

一乗寺 国宝三重塔 (4).JPG一乗寺


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