人から金を借りること [倫理]
即金で支払う余裕はないが、そういう条件なら、現金がなくても、いますぐにでも身なりを飾ることができようから、とお考えになって。
もしそうでしたら、それはとんでもない考え違いです。
なぜと言って、いったん借金をこしらえようものなら、いったいどういうことになるか。まあ、考えてもごらんなさい。
人から金を借りることは、その人にご自分の自由を売り渡すのと同じことなのです。
フランクリン (著), 松本 慎一 (翻訳), 西川 正身 (翻訳)
フランクリン自伝
岩波書店 (1957/1/7)
P333
大山寺5
P336
「かまど二つを築くは易く、かまど一つに火を絶やさぬは難し」です。
ですから、「明日、借金を背負って起きるより、今夜の食事を抜きにして床につけ」
>>> ベンジャミン・フランクリン
資本のない商人は、いくら頭をひねってやりくりしたところで、借金の利払いに儲けをつぎ込んで、結局は他人を儲けさせているにすぎない。>
~中略~
経済が発展するにつれて、やがて資本は集中してゆく。江戸や大坂のような都市部ではなおのこと、豊富な資金力がさらなる現金を産み、<銀が銀を儲ける世の中>の様相を呈してくる。
資本家は融資によってますます富み、融資をうける側は利息にあえぐ。「金銀ほど片行(かたゆき)のする(かたよる)ものはない」(「胸算用」巻三ノ二)という嘆きがあるが、持てる者と持たざる者、少ない勝ち組と多数派の負け組という格差は今に始まったことではない。
いずれにせよ、最後に強いのは、現金にちがいない。
西鶴という鬼才―新書で入門浅
沼 璞 (著)
新潮社 (2008/02)
P36
日本では結婚してこどもができたらあたりから、ローンを組んで家を買うのが当たり前のような風潮があるが、それは銀行や不動産会社などから「そう思い込まされている」だけの話だ。
経営者でもない普通の人が、数千万円の借金を背負うのは家を買うときがほとんど唯一の機会である。~中略~ 銀行と不動産会社が作った35年ローンという仕組みは、そうした「リスクを正確に計算できない人々」を狙った商品であると覚えておいたほうがいい。
僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)
P227
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