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先見の明 [所感]

 時代を先見する能力は大切である。
心に留めておくには問題ないのだが、その表明と行動には時期が重要である。
 どのくらい時代を先取りするするかは おかれた立場によって異なるが、ほどほどの近い将来であることが重要である。
例えば、世間では20年~30年サキヨミしてしまうと、評価されないどころか、変人扱いされることさえあることを覚悟する必要がある。
馬寄村の住人

-f7564.jpg三徳山三仏寺3

 東久邇宮はこの時期(住人注;大正9年~15年)、既にパリでアメリカが日本に戦争を仕掛けるという話を何度も耳にした。 当時日本では軍の上層部ですら対米戦などは夢にも思っていなかったため、宮は驚き、クレマンソー  にその真相を聞いた。するとクレマンソーは次のように話した。

「アメリカが太平洋へ発展するためには、日本がじゃまなんだ。<中略>アメリカはまず外交で、日本を苦しめてゆくだろう。日本は外交がへただから、アメリカにギュウギュウいわされるにちがいない。その上日本人は短気だから、きっとけんかを買うだろう。
つまり、日本の方から戦争をしかけるように外交を持って行く。そこで日本が短気を起こして戦争に訴えたら、日本は必ず負ける。アメリカの兵隊は強い軍需品の生産は日本と比較にならないほど大きいのだから、戦争をしたら日本が負けるのは当たり前だ。それだからどんなことがあっても、日本はがまんをして戦争をしてはいけない」
(東久邇宮稔彦「やんちゃ孤独」)

東久邇宮の脳裏には、クレマンソーのこの言葉がこびりついていた。帰国後に色々なところでこの話をしたが、「日本と米国が戦争をすることはありえない」と、誰も相手にしなかった。
いつの時代も、数年先を見通す人物は評価されるも、10年以上先を見通す人物は変人扱いされるものである。クレマンソーの話は全くの現実のものとなる。宮が帰国してから15年ほど経過した昭和16年、日本は対米英蘭戦に踏み切るか否かの選択を迫られるに至った。

語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」
竹田 恒泰 (著)
小学館 (2005/12)
P121

語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (小学館文庫)

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