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寝る子は育つ [雑学]

  昔から「寝る子は育つ」と言いますが、心身の健全な発達に必要な成長ホルモンやメラトニン、セロトニン、などの重要物質は、夜間のノンレム睡眠(深い眠り)の間に分泌されます。
脳に機能異常があって睡眠障害が起こると、これらの物質が十分に分泌されなくなり、心とからだのバランスが崩れてしまうのです。

発達障害に気づかない大人たち
星野仁彦 (著)
祥伝社; 新書判版 (2010/1/30)
P88

>>>発達障害  

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)

  • 作者: 星野仁彦
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 新書


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子どもの寝不足、脳に影響 自閉症緩和への応用も
2011年6月22日 提供:共同通信社

 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所(同県春日井市)は21日、乳幼児期の不規則な睡眠が原因で脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質の分泌リズムが崩れ、脳の発達に支障が出ることをラットの実験で証明したと発表した。
 仙波りつ子(せんば・りつこ)共同研究員は「ヒトでも乳幼児期に早寝早起きの規則正しい生活をしないと、脳に障害を起こす危険性がある」と指摘している。
 実験では、ヒトの乳幼児期にあたる生後6日のラットを9日間、眠っている時にかごを揺らすなどして睡眠不足にした場合、大脳皮質内のBDNFの分泌リズムが乱れることが判明。
 BDNFは、脳の神経細胞同士をつなげ、脳の発達を促進するタンパク質シナプトフィジンを形成する。睡眠環境の悪いラットではシナプトフィジンの量が減少しており、BDNFの量が一定しないと形成が阻害されることが分かった。
 また、自閉症の人にみられる遺伝子の異常を人工的に再現したマウス(ラットより小型)でも同様の現象を確認。自閉症は脳の発達障害の一種のため、自閉症の子どもの睡眠バランスを薬物で改善することなどで、症状を緩和できる可能性もあるという。
※5月28日付の米専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に掲載

基本的には「夜は寝るもの。仕事をしたり、情報収集はしないほうがいい」と自分に言い聞かせておかなければ、この「睡眠相互後退症候群」は改善することはない。
~中略~
 まじめなのは良いことだが、その人たちにも「人は眠るもの」と知っておいてほしい。 睡眠不足がすぐにがんや糖尿病などの疾患につながるわけではないが、からだと脳の基本エネルギーはやはり睡眠がなければ回復しない。
~中略~
 大スターも大統領も金メダリストも、みな夜は眠る。しかも、三時間ではなくて七時間くらいまとまった時間、眠ることが必要なのだ。
 若い人の睡眠障害と上の世代の睡眠障害、それぞれタイプは違うが、「睡眠は健康のもと」という結論はいずれの場合もあてはまりそうだ。

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか
香山リカ (著)
朝日新聞出版 (2012/12/13)
P84

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか (朝日新書)

  • 作者: 香山リカ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/12/13
  • メディア: 新書




私は軽い睡眠障害のいちばんの原因は「脳と体のアンバランス」にあると考えている。自分が元気に遊び回っていた子供時代を思い出してみて欲しい。
夏休みなど、朝から晩までクタクタになるまで遊んで、夜にはバタンキューで寝てしまっていたのではないだろうか。  ところが、大人になると、一日中パソコンの前に座って「体」は全然動かさず、「脳」だけを酷使してしまう人が多い。
脳はオーバーヒート寸前に疲れ切って、目もしょぼしょぼとしているのに、いざ寝ようとすると頭の芯が覚醒していて寝られない、という経験は誰でも一度や二度はあるだろう。
 これを解消するには、頭と同じように、体も動かして疲れさせてあげることが有効だ。

人は「感情」から老化する―前頭葉の若さを保つ習慣術
和田 秀樹 (著)
祥伝社 (2006/10)
P142

人は「感情」から老化する―前頭葉の若さを保つ習慣術 (祥伝社新書)

人は「感情」から老化する―前頭葉の若さを保つ習慣術 (祥伝社新書)

  • 作者: 和田 秀樹
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2006/10/01
  • メディア: 新書


 肉体的に細胞が治癒していくには、充分な睡眠を取るのがとても大事だということを口が酸(す)っぱくなるほど強調したいと思います。
脳が治っていく過程でいちばん力を発揮するのは「脳」だと心から信じています。
前にも述べたように、わたしの脳にとって睡眠は「ファイルを作成する時間」でした。目覚めているあいだに、エネルギーの刺激が感覚系に流れ込みます。そして網膜の細胞を刺激する光と、鼓膜の乱入する音波によって、わたしは急速に燃え尽きます。
ニューロンはたくさんの要求に耐えられなくなり、やがてどんな情報も理解できなくなってしまうのです。

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)
新潮社 (2012/3/28)
P178

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/03/28
  • メディア: 文庫

P177

 学習のあとに睡眠・休息をとることが、学習効率をあげるのに一役買っている、という研究をどこかで読んだことがある人も多いかもしれません。実際、未知の新しい単語を覚えさせるのに、学習直後に睡眠をとらせた群とそうでない群とでは、テストの成績が変わってしまいます(成績が良かったのは睡眠をとらせた群)。

P179
子どもの脳のことを考えると、勉強に注力するあまりに休息と睡眠が不足してしまうことはよろしくありません。将来的には子どもの脳の成長を阻害し、脳が十分に育たない遠因となってしまう可能性があるのです。
 10代の子どものクロノタイプ(睡眠のリズム)は大人と比べると後ろ側にずれています。 これは、メラトニンの分泌が大人よりも2時間遅いためです。
 メラトニンは人間の体内で合成され、睡眠を誘導するホルモン。分泌が遅いだけでなく、子どもの体では分解も遅いのです。10代の子どもが朝なかなか起きられないのはそのためです。子どもの脳ではずっと睡眠を誘導するホルモンが残り続けてしまっているからです。
 そんな状態で子どもを早起きさせてしまうと、子どもの脳は睡眠不足になってします。睡眠時間そのものも、子どもは大人よりずっと多く必要とします。大人の脳に適した睡眠時間は7~8時間と見積もられていますが、アメリカ疾病対策予防センターは、10代の子に必要な睡眠時間は8時間半から9時間半だと推奨しています。

空気を読む脳
中野 信子 (著)
講談社 (2020/2/20)


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