還相廻向 [宗教]
親鸞には悪人正機説以上に大切な説がある。それは還相廻向の説である。
「ナムアミダブツ」と称えれば、阿弥陀仏のおかげでこの世から極楽へ往生することができるばかりか、また極楽からこの世へ還ることができ る。
この極楽へ行くのを往相廻向、この世へ還るのを還相廻向といい、往相廻向と還相廻向を合わせて二種廻向という。
~中略~
この還相廻向こそ浄土真宗の要であると親鸞はいう。極楽往生した人間は利他のためにそこにいつまでもとどまるわけにはいかず、この世に再び帰って、悩める人たちを救わねばならないというのである。
梅原猛、日本仏教をゆく
梅原 猛 (著)
朝日新聞社 (2004/7/16)
P115
仏教では自利利他と言います。極楽で安穏にしているのは自利です。そこには利他行が欠けている。
極楽から、もう一度この世へ帰って 来て悩める衆生を救う。それを還相廻向と言いますが、生まれ変わってまた帰ってくる。これは法然の信仰ですが、親鸞は特に強調してい ます。
梅原猛の授業 仏になろう
梅原 猛 (著)
朝日新聞社 (2006/03)
P30
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