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統合失調症 [言葉]

 統合失調症は高い遺伝率を持つ疾患であるといわれています。一卵性双生児では、片方が統合失調症だと、50%の確立でもう一方にも発症します。
ゲノムがまったく同じにもかかわらず、発症する人とそうでない人がいるということは、統合失調症発症には遺伝的な要因だけでなく環境の要因も重要であることを示しています。
この統合失調症の発症のメカニズムはどういうものか、よくわかっていません。

「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学
宮川 剛 (著)
NHK出版 (2011/2/8)
P125

DSC_6011 (Small).JPG高松

精神科では、統合失調症の患者さんたちは言葉を正確に受け取る傾向がありますから、「頑張れ」といわれると「無理をしろ」と言われている聞こえちゃうのね。
統合失調症の人というのは、非常に正確なの。統合失調症の人は論理がむちゃくちゃだと思ってたら間違いで、実はとても論理的な場合が多いのね。
 だからたとえば、患者さんが何かこちらに言ったときに、ボクらが「ああ、そうですか」と言うと、これはやり取りとしては自然だけれども、論理上は疑っていることになるの。
「ああ、そうですか」は疑問文だからね。ですから「先生はボクが嘘を言っていると思ってるんですか」と反論してくる。それほど統合失調症の人は、しばしば論理的なの。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P082

 統合失調症の主だった症状として思考障害があります。考えがまとまらなくなったり、考えの進行が中断したり、抽象的な概念が理解されにくくなったり、ひどい場合には支離滅裂な応答しかできなくなるということがあります。
こちらの質問にも、的外(まとはず)れな回答しかできなくなってしまうのです。こうなるといわゆる言語を介してのやり取りが不可能になります。
 言語上のやり取りが不可能になるわけですから、この時点で積極的な心理療法の対象にはなりません。 ~中略~
 答えが噛み合わない原因に何らかの意識障害が関与していることがあります。特にせん(譫)妄と称されるような状態では、場にそぐわない言動が見られたり、猛獣や蟻の大群に襲われると思い込み、興奮して怯えることがあります。〈せん妄〉とは、「意識の異常(意識の内容の変化)の一つ。中等度からかなり高度の意識混濁(こんだく)を土台に、活発な精神運道興奮を示し、激しい不安や恐怖を呈する」(杉本敏夫他編著「ケアマネジメント用語辞典」二〇〇五年、ミネルヴァ書房、改訂版は二〇〇七年)のです。

精神科医はどのように話を聴くのか
藤本 修 (著
平凡社 (2010/12/11)
P126


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