眼は心 [ものの見方、考え方]
P191
それまで「今までの写真はダメだ!」って、日本の革命的な写真を土門やぼくらがつくったんですよ。
何が大事かといったら「リアリズム」、写真の持つ真実。対象の中に潜んでいるものを、カメラの目、つまりカメラ・アイでギリギリまで表現してゆく。
風景でも、漠然と撮るのではなく、社会や人間、歴史など、風景の中に何があるのかを追求する。写真革命のいちばん先に名取さん(住人注;名取洋之助)さん
がいて、土門やぼくたちがそのあとをくっついていった。~中略~
名取さんには、「写真はお前の心で撮れ」っていわれてました。だけど、ぼくたちは最初、撮り方がわからなかった。立体物を撮る場合、あらゆる角度があるわけです。
ローアングルからハイアングルまで、ずうっと。それを「写真家は眼でしっかりとらえろ。眼は心だよ」とね。
土門拳 古寺を訪ねて―京・洛北から宇治へ
土門 拳
小学館 (2001/11)
P191
P194
土門の写真を見ていると、仏像も真正面から見据えて撮ったものが多い。ぼくはこれが土門の特徴だと思うんですね。
正面主義、真っ向勝負。土門の性格がよくでているんです。
ぼくは斜めからライティングして撮ることも多いのですが。~後略
藤本四八
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