アクセス・ジャーナリズム [言葉]
ジャーナリストとは、基本的に権力寄りであってはならない。権力の内側に仲間として加わるのではなく、権力と市民の間に立ちながら当局を監視し、不正を糺(ただ)してゆく。
ジュディス・ミラー記者のように近づきすぎたジャーナリズムのことを、アメリカでは批判的に「アクセス・ジャーナリズム(access jounalism)と呼ぶ。
~中略~
日本の記者クラブが生みだす一連の報道は、私から見るとまさしくアクセス・ジャーナリズムそのものだ。当局や大企業との距離を詰めれば詰めるほど、記者クラブメディアでは高い評価がなされる。取材対象と身内のように仲の良い関係を築いた者ほど、「情報が取れる記者」として会社組織から重宝される。
当局や大企業と近い距離を保ちながら書く記事は、有形無形のバイアスがかかってしまう。
「本当のこと」を伝えない日本の新聞
マーティン・ファクラー (著)
双葉社 (2012/7/4)
P130
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