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メンテナンスフリーのインプラントは無い [医学]

 インプラント治療では、インプラント体を埋入して、骨と結合された後に上部構造を装着するわけですが、上部構造周囲に天然歯と同じようにプラーク(歯垢)が付くと、最近によってインプラント周囲炎を発症します。インプラント周囲炎とは、天然歯で言えば歯周病と同じと考えてよいものです。
~中略~
 インプラント体が非自己であることがばれてしまう、つまりインプラント治療が失敗する原因は「炎症」か「過重負担」のどちらかです。~中略~
 従って、インプラント治療を行なったら、一生これが非自己であると認識されないために、炎症や過重負担が生じないよう、細心の注意を払ってメンテナンスを行なうことが大切となるのです。

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
P40

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい!インプラントの話 (角川SSC新書)

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい!インプラントの話 (角川SSC新書)

  • 作者: 矢島 安朝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2013/05/09
  • メディア: Kindle版

 

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P49
 一方で、患者さんのメンテナンス意識の欠如が、インプラントの長期残存の妨げになっている場合もあります。少し厳しい言い方になってしまいますが、「一生使えるかどうかは、患者さんの心がけ次第」という面もあるのです。
~中略~
 私が勤務する東京歯科大学千葉病院では、過去3年間にインプラント治療を行なった患者さんのうち、2年以上メンテナンスに来ていない方が30%に達しています。~中略~
 インプラント治療を始めるそもそもの理由は、自分の歯が抜けてしまったことにあります。自分の歯であっても一生持たなかったわけですから、プロによる適切なメンテナンス治療もないまま、インプラントが長期間安定するとは考えにくいのです。

住人注; せっかくインプラント治療を行なったのに、お口にトラブルが起きるのは、たいへん不幸なことです。
そうならないためには上記のようにメインテナンスが重要です。
住人が考えるに、患者さんのお口の中は一人の主治医が責任をもってメインテナンスを含めた治療計画を立てるべきであり、原則的にメインテナンスもインプラントを行なった歯科医院でやってもらうべきです。
転勤など止むを得ない事情の場合は別ですが、インプラントを受ける際は「メインテナンスを含め、私の口の健康の維持を責任もってやっていただけますか」と聞いてみましょう。
「うちはインプラント以外はしませんので、メンテナンスは他所の病院でやってもらってください」と言われたらちょっと心配です。でも、 心ある歯科医はその様なことは言いませんのでご安心を。
インプラントに限らず形あるものはいつか壊れます。
ベンツにしてもボルボにしても車検をちゃんと受けていても一生乗れるわけではありません。まして歯は毎日過酷な環境で機能しています。
歯科医は一生持たせようと粉骨砕身努力しますが、神様ではありません。
壊れる日をできるだけ先延ばしするために(あわよくば一生使えるよう)、コストパフォーマンスを向上させるために、メンテナンスを受けられたほうが患者さんにとって得策です。

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい!インプラントの話 (角川SSC新書)

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい!インプラントの話 (角川SSC新書)

  • 作者: 矢島 安朝
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  • 発売日: 2013/05/09
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