疑問に答えすぎない [教育]
子どもが「あれ、何?」とか、「どうしてお日様はあっちから上がってきて、向こうに沈むの?」とか、何か疑問を持って、聞いたりする。それにどう答えてあげればいいのか。
「こうこう、こうよ」と教える人もいるし、そうじゃなくて、「今ここから出ているでしょう。明日も見てごらん。あすはちょっとずれるかもしれんよ」と言う人もいる。そして五日くらい見ていたら、すこし場所がずれていて、「ああ、位置が変わるんだ」と子どもが気づく。
子どもの知的な好奇心に全面的に答えを出して「おしまい」とせずに、さらに伸びていくようにすると教育として上等なの。
精神療法も同じです。精神療法で答えを与える、何か方法を示してあげるときにも、示し過ぎないでできるだけちょびっと示して、そしてあとは、この示すという行為に対する患者側の自発的な活動に期待する
の。
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P227
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