豊前地方の山伏 [見仏]
率直にいって、中世の豊前地方の山伏は、戦う山伏といった印象を強くいだく。山伏が山武士的なイメージをこれほど滲ませた時代はないであろう。
英彦山などは、強力な武士集団を敵に回して一山をあげ攻防の戦いを繰り広げた。
山は全く灰燼に帰したが、英彦山という力は現在の遺構をみてもわかるように以後またたくまに復興し、その活動の原動力となった山伏の底知れないエネルギーに驚かされる。
山伏まんだら―求菩提山(くぼてさん)修験遺跡にみる
重松 敏美(著)
日本放送出版協会; 〔カラー版〕版 (1986/11)
P67
山伏まんだら―求菩提山(くぼてさん)修験遺跡にみる (NHKブックス)
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2021/07/15
- メディア: 単行本
P76
領主小笠原氏と求菩提の関係は、寛永九年(一六三二)の領主の入国以来、一山あげ小笠原氏に忠勤をみせている。寛永一五年には、肥前まで小笠原氏の軍に山伏たちは馳せ、島原一揆追討に参加している。
このようにして、山は領主と密接な関係を保ちつづけ、奥方であった永貞院は、ことの外求菩提山信仰を奉持し、元禄五年には一族より座主を山に送りこむなどのことが行われた。
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