パニックはめったに起きない [社会]
緊急事態においては当局自身が動揺し,パニックにならないようにと警告することが多い.
しかしながら,実際にはパニックはめったに起きない.ナイトクラブの火事やスタジアムでの一斉避難のように,視界がさえぎられたり,避難路が限られたりしたときだけ例外的に起こりうる.
人は心の中でパニックになっても,行動面ではそうはならないのがふつうで,むしろ英雄的な行動をとることすらある.確かにレスキュー隊が生命を救うことはあるが,むしろ,たまたまその場に居合わせたごく一般の人―家族や近隣住民,ときにはまったく見知らぬ人―が救助することのほうが多いくらいである.
リスク 不確実性の中での意思決定
Baruch Fischhoff (著), John Kadvany (著),中谷内 一也 (翻訳)
丸善出版 (2015/4/26)
P136
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