生徒の「うつ」を見逃すな [医療]
まずは少し古いが、2006年12月29日の読売新聞朝刊の「論点」に掲載された筆者の論説を読んでいただきたい。
生徒の「うつ」を見逃すな
いじめを防ぐのに、政府の教育再生会議では毎日のように議論は続けられ緊急提言がなされている。私は精神科医の立場から、「いじめ」ではなく「いじめ自殺」について提言したい。
最近の論調を見ると、いじめと自殺を直結して考えているような感じが強い。確かに小中高の生徒や学生が自殺するのは異常事態であり、何らかの自殺に至る原因があるにちがいない。しかし、本当に、「いじめ自殺」はいじめが原因なのだろうか。
空海に出会った精神科医: その生き方・死に方に現代を問う
保坂 隆 (著)
大法輪閣 (2017/1/11)
P48
P52
この記事の中で言いたかったことは、
①いじめ=いじめ自殺ではなく、いじめによってうつ状態などの精神症状を呈し、その中の一部が自殺願望を持ち、その一部が実際に自殺企図していると考えるべきであること。
②中学生4人に1人がうつ状態と評価されたこと。
③担任が受け持ちの生徒と率直な話をし、うつ病であるかどうかを評価することが最も大事であること。
などだ。
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