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リクツ主義vsリクツ抜き主義 [教育]

   ところがK君によりますと、このアメリカ人の尺八の「教え方」が実にうまいというのですね。
K君自身も尺八をやるのですが、このアメリカ人の教え方と日本人の先生のそれとどこが違うか。
これは尺八に限らず、「芸道」にはよくあることですが、日本人の場合まずリクツ抜きに先生によく密着して、とにかく自分でもヤミクモに練習し、「やっているうちに何とかなる」という、”秘伝”方式だ。
ところがこのアメリカ人だと、リクツ抜きじゃなくて反対にリクツ主義(?)とでもいいますか、とにかく「技術」にして、どこがどう悪い、指がどうの、くちの当て方がどうのと、具体的に、合理的に、すべて説明のつくものとして教える。
その結果、アメリカ人に尺八を習う方が早く上達するというのです。
 ~中略~ しかし、超名人級になるのに、はたしてどちらの方式が「良い」かとなると、かなりむずかしい問題になってきます。これは日本文化の根底にかかわることかもしれません。

実戦・日本語の作文技術
本多 勝一 (著)
朝日新聞社 (1994/09)
P53  

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師匠はひとりだけに [教育]

 ここで師匠についてひとこと。どんな芸事でも同じだが、師匠はひとりだけにする。いろんな師匠から教えてもらうと結局は中途半端で修業にならない。
 これは釣り雑誌でも同じことで、誌面ではさまざまテクニックが紹介される。それをそのまま正直に実践していても腕があがるわけではないのだ。自分の信じた師匠、釣り方を極めてから、ほかの釣り方に興味を持つのが順序だ。

つり道楽
嵐山 光三郎 (著)
光文社 (2013/4/11)
P244

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目次 教育 [教育]


教育
  1. 教育
  2. 共育
  3. 教育の受益者は本人ではなく、社会全体
  4. いつ死ぬる木の実は播いておく
  5. 人間学
  6. 自我と自我の衝突
  7. 人の過ち
  8. パーフェクトを期待するな
  9. ゆとり教育
  10. 本番はもっとタフでダーティだ
  11. 穏やかな海で優秀な船乗りは育たない
  12. もう少しで届くぞ
  13. 人を諭す
  14. やって見せ 言って聞かせ させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ
  15. ほめて育てる
  16. 「ほめる」と「ねぎらう」
  17. プレッシャーが人を育てる
  18. ほめるのではなく勇気づけ
  19. コーチングとは
  20. いい先生の叱言
  21. 叱ってやるのは親の慈悲
  22. ミスをして叱っても使い続ける
  23. ちょっと鈍感で誠実な人のほうがよろしい 
  24. 解るレベル
  25. 道具はいいものを与えないと
  26. 男のみがき砂として役立たないものはない
  27. 師匠はひとりだけに
  28. 禽獣と人の違い
  29. 私には能力がある
  30. 学生に伝えるべきこと
  31. あるべき教育の姿
  32. 愚直に、地道に、徹底的に
  33. 悪口を以て僧を呵嘖し毀呰(きし)すること莫れ
  34. 婦寺の忠
  35. 親たるもの
  36. 子供に対して文句を言いたくなったら
  37. 子供が親孝行しないのは親の責任
  38. 徳はなくとも、徳あるごとく振舞え
  39. 良師は規矩を教える
  40. 夢を語る人間の責任
  41. 長続きするには
  42. メンタリング・システム
  43. 教育基本法第九条
  44. モンゴロイド流子育て
  45. 公平分配の習慣
  46. チンパンジーの子育て
  47. チンパンジーの教育と学習
  48. 育児書よりも「人」
  49. 適齢期
  50. 中高一貫校の問題
  51. 親や教育者の仕事
  52. 子をそだつ良法
  53. 松下村塾
  54. 孝悌の道ををしゆべし
  55. 人と交わるに温恭の心構えを失わぬように躾よ
  56. 国語
  57. 煩に耐える
  58. 女功をおしゆべし
  59. 心の教育でいじめはなくなるか?
  60. 近代日本のいちばん大事業は教育である
  61. 努力の堆積が天才を生む
  62. 人間の強さ
  63. なぜ勉強しなければいけないの?
  64. リクツ主義vsリクツ抜き主義
  65. 三つ子の魂百まで
  66. やればできるのに、といったら決してしない
  67. 外発的動機づけ
  68. 日本の教育
  69. 志は高く、一回のハードルは低く
  70. 料理の初歩
  71. 食育
  72. 成功体験を見せてもらおう
  73. 教えるタイミングと方法
  74. 辛いことを辛抱したから褒められる
  75. 学びたいか、学びたくないかを決めるのは当人の心です
  76. 平等で個を尊重すれば子は育つのか
  77. 上知と下愚とは移らず
  78. 自制心を育てろ
  79. 鉄は熱いうちに打て
  80. 理想的な教育環境
  81. 教育の経済学
  82. 答えは相手の中にある
  83. 疑問に答えすぎない
  84. 任せることと放任は違う
  85. 「自分ができる」ことと「教える」ことは違う
  86. いろは口説
  87. 国家の盛衰は、教官の良否にかかわる
  88. 質を問わない?
  89. 中退というのは資格
  90. エリートを育てろ

DSC_4459 (Small).JPG宇佐神宮


タグ:教育
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理想的な教育環境 [教育]

「反面教師としての親」が意外な教育効果をもつこともあるのであろうが、もちろんその逆もあり、むしろそれが普通であろう。そう考えると、太宗の息子たちは、余り理想的な教育環境に置かれたことが、いわばいまの例と全く逆であったことが、逆効果となったのかも知れない。
不世出の英主と稀代の賢婦人を両親にもち、魏徴の学習書があって賢臣に取りまかれているなどということは、子にとって、案外、苦しいことかも知れない。

帝王学―「貞観政要」の読み方
山本 七平 (著)
日本経済新聞社 (2001/3/1)
P184


タグ:山本 七平
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ミスをして叱っても使い続ける [教育]

オシムはヴァステッチの努力を讃(たた)えた上で、指導について言及した。
「あいつは俺の所に8年もいた(笑)。コーチの仕方としては、良くないプレーをした時に、思い切りそれがダメだと叱った。それだけだ。
イヴォは若い時期に国を出て小さなクラブを試合に出られないまま転々としていたから、一貫して教えられたものがなかった。だから徹底して何がダメか教えて叱った。
 ただ、それより重要なのは、ミスをして叱っても使い続けるということだ。選手というのは試合に出続けて行かないと成長しない。どんなに悪いプレーをした時でも、叱った上でそれでも使う。
ミスをした選手を、それだけで使わなくなったら、どうなる?その選手はもうミスを恐れてリスクを冒さなくなってしまうだろう。いつまでも殻を破ることができない」

オシムの言葉 増補改訂版
木村 元彦 (著)
文藝春秋; 増補改訂版 (2014/1/4)r>P144

DSC_2813 (Small).JPG須佐神社


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子をそだつ良法 [教育]

 小児は、少し空腹にさせ、少し冷たい思いをさせながら育てるのがいい。
 子供だけでなく、大人にもこうした苦労をさせるといい。子供に美味な食事をあたえ、上等な着衣を与え過保護にすると、のちのち大きな科厄になる。
俗人と婦人は、物事を知らず子を育てる方法を知らない。ただ、腹一杯おいしい食事を与え、厚着をさせ暖めすぎるので、子供はかならず多病になり短命になる。
貧しい家の子供の方が衣食とも乏しいので、かえって、病気にかかりにくく長命である。

養生訓 現代文
貝原 益軒 (著) , 森下 雅之 (翻訳)
原書房 (2002/05)
P227

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徳はなくとも、徳あるごとく振舞え [教育]

  相手をある点について矯正したいと思えば、その点について彼は既に人よりも長じているといってやることだ。
「徳はなくとも、徳あるごとく振舞え」とはシェークスピアのことばだ。
相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるがよい。よい評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
人を動かす
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)
P311

2182205白毫寺

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もう少しで届くぞ [教育]

「エディは、「もう少しで届くぞ」という環境を作り続けました。
練習でもテストマッチでも。あのルーマニア戦は、全員が「ワールドカップでの勝利に、もう少しで手が届く」と、チーム全員が思えた瞬間だったんです」

五郎丸日記
小松 成美 (著)
実業之日本社 (2015/12/18)
P258










DSC_2160 (Small).JPG白樺街道








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人間学 [教育]


 真に新しいものは、必ず古いものから生まれるのでありまして、突如として出るものではない。たとえば鎌倉時代に新宗教ができたといっても、道元にしても、法然にしても、親鸞にしても、日蓮にしても、まったくなにもなかったところに初めて彼らの新仏教を開いたのではないのであります。~中略~
幕末維新の人物といっても、これまた徳川三百年間の儒教、国学から出ているのであります。真に伝統に立つことによって初めて新しい何物かが生まれるのであります。

知命と立命―人間学講話
安岡 正篤 (著)
プレジデント社 (1991/05))
P38



DSC_1962 (Small).JPG旭川市旭山動物園

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タグ:安岡 正篤
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私には能力がある [教育]

私は潜在能力を備えた存在であり、できる存在である
私はよりよい仕事をすることを望んでいる
私には結果が見えるまで必要なことは何でもし、必要なだけ待つコミットメントがある。

菅原 裕子 (著)
コーチングの技術
講談社 (2003/3/18)
P78

-42ceb.jpg湿性花園の古代ハス2

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中退というのは資格 [教育]

五木 ちょっと話はずれますけど、僕は抹籍なんですよ。よく除籍とまちがえる人がいるけど、除籍は処分でしょう。
抹籍は申し出て籍を抜く事務的な手続きなんです。それで、もう二十年ぐらいたって、総長から校友会のメンバーになってくれと言われた。
それで「いや、僕は抹籍ですから、校友会なんか入る資格はありません」と言ったんです。
「どうしてですか」と聞くから、「いや、三年間の授業料の未納で、抹籍というかたちになっています」と言ったら、
「いまだったら払えるでしょう」って。
「そりゃ、払おうと思ったら払えますけど」「払ってください」ということで、請求書がきたから十何万か払った。そうしたら正式に中退にしてくれた(笑)。
 みんな間違っているけれど、中退というのは資格なんです。

親鸞と道元
五木寛之(著),立松和平(著)
祥伝社 (2010/10/26)
P131


DSC_5431 (Small).JPG戸上神社 

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タグ:五木 寛之
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公平分配の習慣 [教育]

ある日、子供(住人注;アンデスの山奥で今でもインカの伝統を守り続けているケロ村)たちと遊んでいて、たまたま私のザックの底からアメ玉が一つだけ見つかった。子供たちの大好物だ。一つしかないので迷った。
小さい女の子が一人になったとき、こっそりとアメ玉をあげた。欠けた歯をニュッとむき出して、うれしさこの上ないといった顔をした。

 日本の子供にアメ玉を一つあげても、逆にバカにされるだけかもしれない。しかし、彼女にとっては一年に一度、手にすることができるかどうかわからない最高の宝物なのだ。
 私は一人こっそりとなめてしまうだろうと思っていた。ところが、女の子はすぐに大声で叫びながら姉、兄のところに飛んで行った。その小さなアメ玉をお兄ちゃんが割って、四人で分けた。四人とも満面の笑みを浮かべて、小さくなってしまったアメをなめていた。

関野 吉晴 (著)
グレートジャーニー―地球を這う〈1〉南米~アラスカ篇
筑摩書房 (2003/03)
P52

伊勢神宮 内宮 (210).JPG伊勢神宮 内宮

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メンタリング・システム [教育]

 メンタリングは、メンター(師匠)となる指導者が何人かのスタッフを受け持ち、育てるための仕組みのことです。
これは、御存知の人も多いと思いますが、ギリシヤ神話に登場するメントールという老人が、オデュッセウス王の息子を指導して立派に育てたことに由来します。このメントールが、メンターになりました。
~中略~
 通常、メンターの役割は直属のボスではなく、さらに上のリーダーや、まったく違う部署のディレクターなどが受け持ちます。そして、知識、スキルの向上のみならず、人間性に関わる指導も担います。

一流の男は「気働き」で決める
高野 登 (著)
かんき出版 (2014/4/23)
P137

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タグ:高野 登
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穏やかな海で優秀な船乗りは育たない [教育]

   「強い経済の光の中では、ガラス玉のような会社も、氷の塊も、ダイヤモンドも同じように光ってみえるものだ。しかし、今、その光が一気に弱くなった。
これからガラス玉は弾け散るだろう。氷の塊は溶け始めるだろう。しかしダイヤモンドは輝きを失うことはない。つまり、本物だけが光を放つときがやってきたのだ。
さらに、強い光の中では見えなかった、小さい本物の光もまた見え始めるということだ。諸君、我々は試されている。リッツ・カールトン がダイヤモンドかどうか、今試されているのだ」

「穏やかな海で優秀な船乗りが育った例など、私は知らない。我々が漕ぎ出す海はまさに荒波の真っただ中だ。
私にはあらゆる面でベストを尽くす覚悟がある。諸君にもこの荒波を乗り切るため、あらゆる可能性にコミットして欲しい。 リッツ・カールトンが生き残れるかどうかは、諸君の力にかかっていると言ってもいい」
(住人注;シュルツィ氏の後任として社長になったサイモン・クーパー氏)

一流の男は「気働き」で決める
高野 登 (著)
かんき出版 (2014/4/23)
P010


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松下村塾 [教育]

 松下村塾の教育は、単に漢籍などを講読するいわゆる訓詁の学風を意識的に避けた。
むしろ師弟のあいだでの時局をめぐる熱を帯びた討論が繰り返されたという。
松陰はこのようにも言った。「学とは、書を読み古を稽(かんが)ふるの力に非ざるなり。天下の事体に達し、四海の形勢を審(つまびら)かにする、是のみ」。  

吉田松陰 留魂録
  古川 薫 (著)
  講談社 (2002/9/10)
   P193

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タグ:吉田松陰
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疑問に答えすぎない [教育]

子どもが「あれ、何?」とか、「どうしてお日様はあっちから上がってきて、向こうに沈むの?」とか、何か疑問を持って、聞いたりする。それにどう答えてあげればいいのか。
「こうこう、こうよ」と教える人もいるし、そうじゃなくて、「今ここから出ているでしょう。明日も見てごらん。あすはちょっとずれるかもしれんよ」と言う人もいる。そして五日くらい見ていたら、すこし場所がずれていて、「ああ、位置が変わるんだ」と子どもが気づく。
子どもの知的な好奇心に全面的に答えを出して「おしまい」とせずに、さらに伸びていくようにすると教育として上等なの。  精神療法も同じです。精神療法で答えを与える、何か方法を示してあげるときにも、示し過ぎないでできるだけちょびっと示して、そしてあとは、この示すという行為に対する患者側の自発的な活動に期待する
の。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P227

 DSC_0327 (Small).JPG朝光寺


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良師は規矩を教える [教育]

 ボクは二〇年以上、漢方の勉強をしていて、師匠がいたんですが、一〇日ぐらい前に八〇数歳で亡くなられました。その師匠がおっしゃったことをときどき思い出すんですが、師匠はこういうことをおっしゃったことがあったんです。
「「良師は規矩を教える」という言葉があるよ」と。
 「規矩を教える」というのはどういう意味か。「規矩」というのは物差しです。物差しとはどういうことか。師匠が弟子に知識を教えると、弟子はその知識を持って、「ああ」と納得してそれをやる。
ところが規矩を教えると、規矩というのは物差しだから、物差しを習った弟子は自分でいろいろなものを見て、「これがいいんじゃないか」とか、「これとこれを組み合わせてみようかな」というような方法論を学ぶ。
 そして、それを使って自分の知識や情報の世界を築き上げていく。そして最終的には、この方法論で自分の世界を築き上げて、そして師匠とは違う世界が出来てくる。だけどまあ、そこまではまだ弟子なの。

 そして、その弟子のなかのほんのわずかな人が、師匠から学んだ規矩を捨てて、自分が築き上げた世界から新しい規矩を作り出す。その方法論を作るようになったときに、その弟子を「出藍」と言うのね、藍です。
「出藍の誉れ」というのはそういう規矩を、方法論を超えることができた弟子のことです。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P195

平等院 (1).JPG平等院

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いろは口説 [教育]

 国は日向の大光寺さん 古月和尚のつくりし口説 四十八字のいろはの口説 いろは口説を今語り出す

 いとけなきもの愛してとらせ
 ろう(老)は敬い無礼をするな
 はらが立っても皆までいふな
 にくみ受くるも我が心から
 ほめてもらうとて高慢するな
 へだてないとて遠慮に思へ
 となり近所に不都合するな
 ちかき中にも又かきをせよ
 りこうものぢやと自慢するな
 ぬしのある身をたしなめよ
 るらう(流浪)するのも我が心から
 おやに不幸の妻なら去れよ
 わかき時には身をつつしみて
 か(家)業大事と心にかけよ
 よきもあしくも人事いふな
 たとへ高きも又いやしきも
 れい儀作法をよくわきまえて
 そこつなきよう此世を渡れ
 つらい勤も忍んで通ふしや
 ねがい通りに事成就する
 なにがないとて世をうらむな
 らくがしたけりゃ心棒が大事
 むかしがたきの人をばしたへ
 ういてしげるは水草ばかり
 ゐやな事とて色には出すな
 のちには必ず身のらくと成る
 おやの意見を忘れぬように
 くにの掟をよく守りつつ
 やしきの境をきびしく守り
 まづしき暮らしも心を富ませ
 けしの種でも盗はするな
 ふう者貧者は時世と時節
 こころよく持ち油断をでねば
 えらい人にもなるる此の世
 てらす鏡のくもらぬように
 あしき友達遠ざけて行け
 さいた桜に駒つながれぬ
 き(貴)けん方とてへつらいするな
 ゆかりある人粗略にするな
 めづるこころは目下につかえ
 みぶん相応倹約なされ
 し(死)後の笑をうけてはならぬ
 ゑんがあろうと又なからふと
 ひろい世界のその人々に
 もうし置くこと限りもないが
 せめて口説の言ばを守り
 すすみ行く気で此世を渡れ

(住人注;蘭山の師の古月の作)
上田翁の話では、柳村では昔寺子屋でこの口説を書き写させ、歌わせていたとういう。

郷土門司の歴史
中山主膳 (著)
金山堂書店 (1988/06/01)
P115

DSC_5339 (Small).JPG静泰院


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「自分ができる」ことと「教える」ことは違う [教育]

 最新の知識を教える教師は必ずしも研究者であるとは限らない。教師の中には、研究に必要な訓練を受けていないものも多く、あるいは研究をする時間的余裕のない者もいる。学生にとっては非常に優れた教師であっても、自分の領域の高度に専門的な研究が皆目理解できていないような人もいる。
半面、頭の切れる優秀な研究者が、教師としては惨めな姿を示した例も数多くあったのではないだろうか。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P177

DSC_0966 (Small).JPG奥は天念寺

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任せることと放任は違う [教育]

前略~  目標を立て、権限を与え、自主的に行動させるのだから、もはや指示も介入も干渉もできないとばかりに部下から離れてしまう。この態度がまちがっているのだ。任せることは、放任していいことにはならない。
~中略~
 指示・介入・干渉はやらないが、忠告・援助・激励は大いにやる。両者はいささかも矛盾しないことを知ってほしい。

経営の行動指針―土光語録
土光 敏夫 (著), 本郷 孝信 (編集)
産能大出版部; 新訂版 (2009/10/15)
P104

P1000096 (Small).JPG

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タグ:土光 敏夫
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自制心を育てろ [教育]

 目の前の満足にとらわれず、長い目で見た成功に注意を集中させられる能力は、大きな目標や野心の達成には欠かせないものだ。
たとえば研究によると、小学生時代に示された自制心の度合いで、知能テストの結果以上に学者としての将来性が占えるという。
そのほかの例を挙げると、よだれのでそうなケーキの誘惑にさからえる人はダイエットに成功する、辛抱強く復習ができる学生は試験の成績が上がる、何時間も練習できるスポーツ選手は獲得するメダルの数が多くなる。
ミシェル(住人注;ウォルター・ミシェル)の研究は、この能力が幼いころに形成され、大人になっても変わらないことを教えている。そして彼の研究には、しばらく待つことができず、マシュマロにすぐ飛びつく子どもが非常に多いことも示されている。
そんな子供たちは、大人になっても自分のほしいものをがむしゃらに手に入れようとするのだ。

その科学が成功を決める
リチャード ワイズマン (著), Richard Wiseman (原著), 木村 博江 (翻訳)
文藝春秋 (2012/9/4)
P286

DSC_0890 (Small).JPG両子寺


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上知と下愚とは移らず [教育]

三子曰わく、唯上知と下愚とは移らず。


~中略~


先生がいわれた。「 ただ最上の知者と最下の愚物とは、習いによって変化しない 」


陽貨篇


                  論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

                       中央公論新社 (1973/07)

                       P488

DSC_0876行入ダム (Small).JPG

行入ダム

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辛いことを辛抱したから褒められる [教育]

 辛抱強くする教育なら、子供の頃から嫌いなことを多くさせた方がよい。
だから、学校は面白くてはいけない。学校は辛いことを辛抱した末に褒められる。
 授業では不得手なことを長時間する苦痛に耐える習慣をつける。これが日本の教育の重要なポイントである。
「あるべき明日」

堺屋太一の見方 時代の先行き、社会の仕組み、人間の動きを語る
堺屋 太一 (著)
PHP研究所 (2004/12/7)
P234

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タグ:堺屋 太一
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料理の初歩 [教育]

私をも含めてそのころ教えられた料理の初歩には、要点が二つしかない。
一つはまっとうな味を知ること、つまりいかに正しく料(りょう)るか、も一つは厳しく腐敗のもの、毒のものを知ること、つまりいやなものを排除すること、
この二つであった。
~中略~

 このごろは中毒事件が多い。毒になるものをたべさせるほうの業者たちはもとより心臓が麻痺していると見るが、食べるほうの子供たちはいったい腐敗について教えられたことがないのだろうかと訝(いぶか)しいのである。
もし毎日三度たべるたべもので、腐敗の味や臭いや感覚を教えられていない結果がこうした中毒になるのだとすれば、中毒の一半の責任は親たちにもあると思う。
いいおいしいたべものもいいが、子どものときから腐敗のもの、毒になるものについて厳しく教えるのは必要だとおもう。
(一九五四年 五十歳)

幸田文 台所帖
幸田 文 (著) , 青木 玉 (編集)
平凡社 (2009/3/5)
P26
藤松小学校運動会 (6) (Small).JPG藤松小学校

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煩に耐える [教育]

  凡(そ)子弟わかきともがら、あしき友にまじはりて、心うつりゆけば、酒色にふけり、淫楽をこのみ、放逸にながれ、淫行をおこなひ、一かたに悪しき道におもむきて、よき事をこのまず。
孝弟を行ひ、家業につとめ、書をよみ、芸術を習ふ事をきらひ、少のつとめもむつかしがりて、かしら(頭)いたく、気なやむなどいひ、よろづのつとむべきわざをば、皆気つまるとてつとめず。
父母は愛におぼれて、只、其気ずい(隋)にまかせて、放逸をゆるしぬれば、いよいよ其心ほしいままになりて、ならひて性となりぬれば、よき事をきらひ、むつかしがりて、気つまり病をこるといひてつとめず。
なかにも書をよむ事をふかくきらふ。

凡(そ)気のつまるといふ事、皆よき事をきらひ、むつかしく思へるきずい(気隋)よりおこれるやまひ(病)なり。
わがすきこのめる事には、ひねもす、よもすがら、心をつくし、力を用いても気つまらず、囲碁をこのむもの、夜をうちあかしても、気つまらざるを以(て)しるべし。
~中略~

凡(そ)学問して、をやに孝し、君に忠し、家業をつとめ、身をたて、道を行なひ、よろずの功業をなすも、皆むつかしき事をきらはず、苦労をこらへて、其わざを、よくつとむるにより成就せり。
むつかしき事、しげきわざに、心おだやかにくるしまずして、一すぢに、しづかになしもてゆけば、後は其事になれて、おもしろくなり、心くるしむる事もなくて、其事つゐに成就す。又むつかしとて、事をきらへば、心から事をくるしみて、つとむべき事をむづかしとするは、心のひが事なり。
心のひが事をば、そのままを(置)きて、事の多きをきらふは、あやまり也。

和俗童子訓 巻之二 
総論 下

養生訓・和俗童子訓
貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
岩波書店 (1961/1/5)
P228

TS3E0325 (Small).JPG到津の森公園

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国語 [教育]

国語教育は、本来の目的が高度でありすぎるために、いつの間にかとんだ方向違いに流れがちなのである。それはたとえば、次のようなお門違い教育である。
●道徳教育になりがちである。~略
●文学的感性の教育になりがちである。 ~略
●子供に、大人好みの感じのいい子のふりを強要しがちである。~略
●国語は非常に感覚的な科目で、論理性や合理性はなく、考えても無意味だと感じさせてしまう。~略

はじめてわかる国語
清水 義範 (著) , 西原 理恵子 (イラスト)
講談社 (2002/12)
P35

DSC_5999 (Small).JPG高松

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人と交わるに温恭の心構えを失わぬように躾よ [教育]

  志は虚邪(いつわりよこしま)なく、言は忠信(まこと)にして偽なく、又、非礼の事、いやしき事をいはず、かたち(貌)の威儀をただしくつつしむ事をおしゆべし。
又、諸人に交わるに、温恭ならしむべし。
温恭は、やはら(柔)かにうやまふ也。是善を行なふ初(はじめ)也。
心あらきは、温にあらず。無礼なるは、恭にあらず。
己を是とし、人を非として、あなどる事を、かたく戒むべし。
高位なりとて、我をたかぶる事なかれ。高き人は、人にへりくだるを以(て)、道とする事を、おしゆべし。
きずい(気隋)にして、わがままなる事をはやくいましむべし。かりそめにも人をそしり、わが身におごらしむる事なかれ。
常にかようの事を、はやく教え戒むべし。

和俗童子訓 巻之一 
総論 上

養生訓・和俗童子訓
貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
岩波書店 (1961/1/5)
P217

TS3E0314 (Small).JPG到津の森公園

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孝悌の道ををしゆべし [教育]

  いとけなき時より、孝弟の道を、もつぱらにをしゆべし。
孝弟を行ふには、愛敬の心法をしるべし。愛とは、人をいつくしみ、いとをしみて、おろそかならざる也。
敬とは、人をうやまひて、あなどらざる也。父母をいつくしみ、いとをしみて、おろそかならざる也。
~中略~

 およそ愛敬二(つ)の心は、人倫に対する道なり。
人にまじはるに、わが心と顔色をやはらげ、人をあなどらざるは、是善を行ふはじめなり。わが気にまかせて、位におごり、才にほこり、人をあなどり、無礼をなすべからず。

和俗童子訓 巻之二 
総論 下

養生訓・和俗童子訓
貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
岩波書店 (1961/1/5)
P225

TS3E0324 (Small).JPG到津の森公園

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中高一貫校の問題点 [教育]

 そして、ここが重要なのですが、難関中学受験はひとえに「親の受験」であり、極言するなら、「母親の力が9割」だということを知っておくべきでしょう。
~中略~

さらに、中高一貫校に入って大学まで推薦で進むようだと、受験という社会からの厳しいジャッジを自分一人で経験しないまま、社会に放り出されることになります。
そして中学受験当時の親子関係から抜け出せないまま、心理学で言う「共依存」という状態に陥って、親離れ・子離れが難しくなってしまうことも考えられるのです。
 本人の自立を促したければ、親がべったりとサポートしながら中高一貫校に入れるよりも、普通に高校・大学受験させたほうがよいでしょう。

~中略~
 僕の考える一貫校最大の問題は、生徒や保護者の同質化です。
同じような家庭環境、同じような保護者が集まった「同質集団」になりがちです。
藤原和博

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)
P78

  IMG_0446 (Small).JPG旧呉鎮守府司令長官官舎(重文)

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適齢期 [教育]

 脳にはそれぞれの知性を発達させるのに適した「適齢期」があります。
適齢期とは、すなわちある知性の情報ネットワークがドラスティックに変化し発達する「感受性期」のこと。
子どもの知性を育てるには、ただ脳の「適齢期」=感受性期に、知性を発達させるための「普通の環境」をあたえてやりさえすればいいのです。
~中略~

言語的知性、音楽的知性など基本的な知性の適齢期は、基本的に0~8歳くらいといわれています。その時期にドラスティックに変化した情報ネットワークは、その時点である程度固まってしまいます。それが、その人の知性の基礎になるのです。
あとは、その基本ネットワークを駆使しながら、なんとか脳を使いこなしていくわけです。

 逆にいうと、適齢期に適切な環境を与えられなかった場合、その知性情報ネットワークは発達せず、未熟なまま固まってしまいます。

平然と車内で化粧する脳
澤口 俊之 (著), 南 伸坊 (著)
扶桑社 (2000/09)
P200

  -17d1d.jpg平尾台 千仏鍾乳洞2

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